アイドルになると考えたことがない人へ|普通の女の子がアイドルになるということ

自分は普通だから、アイドルとは関係ない。そう思っている人へ。アイドルを「特別な人の職業」ではなく、写真・服・音楽・言葉・変化を一人の名前に残していく方法として考えます。

GlassRoom

アイドルになると考えたことがない人へ

自分は普通だと思っている。

普通に学校へ行く。 普通に働く。 普通に写真を撮る。 普通に服を選ぶ。 普通に音楽を聴く。

芸能人になるような人間ではない。

アイドルなんて、 考えたこともない。

たぶん、 GlassRoomが一番会いたいのは、 そういう人です。

普通の人と、アイドルの違いは何だろう

顔でしょうか。

歌でしょうか。

ダンスでしょうか。

性格でしょうか。

もちろん、 それぞれは活動に影響します。

でも、 もう少し手前に違いがあります。

普通の人が今日着た服は、 今日で終わります。

普通の人が髪を切っても、 その変化を何百人も見ているわけではありません。

好きな音楽が変わっても、 その変化が一つの物語として記録されることはほとんどありません。

写真を撮っても、 数日後にはカメラロールの奥へ流れていきます。

アイドルになると、 同じことが少し変わります。

服が記録される。

髪型が記録される。

言ったことが残る。

好きなものが知られる。

昨日と今日の違いを、 他人が見つける。

アイドルになることで、 普通の日常が急に特別になるわけではありません。

普通なら消えていたものが、 消えずに積み上がり始めます。

アイドルは、人を特別にする仕事ではない

「特別な人がアイドルになる」

そう見えることがあります。

でも、 順番が逆の場合もあります。

一人の人間を長く見る。

写真を見る。

声を聞く。

服を見る。

考えていることを知る。

失敗を見る。

上手くなっていくところを見る。

そうしているうちに、 その人の細かい違いに意味が生まれます。

最初から特別だったから見られたのではなく、

見続けられたことで、 その人の細部が特別になっていく。

そういうことがあります。

だとしたら、 アイドルは 「特別な人間を展示する職業」 だけではありません。

一人の人間を、 他人が長く見られる状態にする媒体

と考えることもできます。

普通は、欠点ではなく未編集の状態かもしれない

「私なんて普通です」

という言葉をよく聞きます。

でも、 普通というのはかなり不思議な言葉です。

何が普通なのかを、 ほとんど説明していないからです。

写真を撮るとき、 なぜその角度を選ぶのか。

黒い服ばかり買うのはなぜか。

人の顔を見るとき、 最初にどこを見るのか。

どんな言葉だけ妙に覚えているのか。

何に腹が立つのか。

何なら何時間でも見ていられるのか。

そういう細部まで並べていけば、 完全に普通の人はたぶんほとんどいません。

ただ、 普通の生活では、 そこまで一人の人間を編集しません。

本人も編集しない。

周囲も記録しない。

だから、 バラバラのまま消えていく。

普通というより、 まだ一つの像として見えるところまで 編集されていない。

GlassRoomは、 そう考えています。

アイドルは、自己表現より自己発見に近いことがある

自己表現という言葉があります。

自分の中にあるものを、 外へ出す。

でも、 実際には逆向きのことも起きます。

外へ出したから、 初めて自分が分かる。

写真になった自分を見て、 初めて似合うものが分かる。

人前に立ってみて、 初めて緊張より面白さが勝つことを知る。

誰かに一言を覚えられて、 初めて自分の言葉に特徴があると知る。

逆に、 やってみて初めて 「これは嫌だ」と分かることもあります。

どちらも情報です。

人は、 自分を外へ出さないままでは 自分について分からないことがあります。

その意味で、 アイドルは完成した自己を見せる仕事ではありません。

外へ出しながら、 自分が何者なのかを更新し続ける形式

でもあります。

だから、完成している人を探していない

歌が完成している。

ダンスが完成している。

見せ方も完成している。

SNSも完成している。

夢も明確。

そういう人は分かりやすいです。

採用もしやすい。

でも、 GlassRoomが最初の一人に期待しているのは 完成度ではありません。

むしろ、

まだ何になるのか決まりきっていないこと。

写真が少し好き。

服も少し好き。

音楽も好き。

人前は怖いけれど、 絶対に嫌ではない。

何か作りたい気持ちはある。

でも、 それを何に使えばいいかは分からない。

そのくらいでいい。

というより、 その状態だから面白いことがあります。

一つの才能ではなく、組み合わせを見る

社会は、 人間を一つの能力で説明したがります。

写真が得意。

歌が上手い。

ダンスができる。

文章が書ける。

でも実際の人間は、 そんなに親切ではありません。

写真0.4。

服0.6。

言葉0.3。

音楽0.5。

人を見る力0.7。

妙なこだわり0.9。

どれも単体では履歴書の太字にならない。

でも、 組み合わせまで同じ人はいません。

才能がないのではなく、 一つずつに分けると弱く見えるだけかもしれない。

アイドルという形式には、 その組み合わせをそのまま使える余地があります。

写真も。

服も。

声も。

言葉も。

変なところも。

一つの名前に戻せる。

アイドルは「何をする人か」より「何を意味にできる人か」なのかもしれない

歌うだけなら、 歌手という名前があります。

写真に写るだけなら、 モデルという名前があります。

動画を作るだけなら、 動画制作者という名前があります。

では、 アイドルは何をする人なのでしょう。

たぶん、 一つの動作では説明できません。

髪を切る。

新しい服を着る。

苦手だったことが少しできるようになる。

昨日言えなかったことを、 今日言えるようになる。

普通なら本人の中だけで終わる変化が、 他人にも見える。

そして、 見た人の中で意味になる。

アイドルは、 行動そのものを売るというより、 一人の変化に意味が発生する状態を作る。

そう考えると、 アイドルは職業というより 人を継続的に読める媒体 に近くなります。

媒体になるということは、自分を商品にすることではない

ここは、 GlassRoomとして区別したいところです。

見られることと、 消費されることは同じではありません。

人に見られる。

写真を作る。

名前を覚えてもらう。

そこまでなら、 まだ本人に戻せます。

問題は、 そのために使った時間や作品や判断が 誰の名前に残るかです。

グループを辞めた瞬間、 全部が過去の箱に入ってしまうなら弱い。

だからGlassRoomでは、 活動の中で生まれたものを 本人の名前にも残したいと思っています。

写真。

映像。

言葉。

作ったもの。

選んだもの。

人との関係。

アイドルを辞めても、 アイドルだった時間まで消えない状態。

そこまで含めて、 活動を設計したいと思っています。

普通のまま来てほしい

アイドルらしい服を着てこなくていい。

アイドルらしい話し方をしなくていい。

アイドルらしい夢を用意しなくていい。

「人を笑顔にしたいです」 と急に言い出す必要もありません。

あれは面接になると人類が突然装備する共通言語なので、 なくて大丈夫です。

普段どんな服を着るのか。

何を見ているのか。

何が嫌いなのか。

何なら続けられそうなのか。

何をやると妙に時間を忘れるのか。

そちらの方が知りたい。

アイドルになる前にアイドルらしくなる必要はありません。

その人が入ったあとで、 その人にしかならないアイドルを作ればいい。

GlassRoomに合わせる人を探しているわけではない

GlassRoomは、 まだ完成していません。

これは普通に不利です。

有名なメンバーもいない。

大きな実績もない。

入った先の未来を 過去の成功例で説明することもできません。

でも、 完成していない以上、 最初の一人を完成後の空席に座らせる必要もありません。

その人が来たことで、 GlassRoomの写真が変わる。

音が変わる。

言葉が変わる。

活動の中心が変わる。

それでいいと思っています。

GlassRoomに合う人を探すだけではなく、 その人が入ったことでGlassRoomの方が変わる。

最初の一人なら、 そのくらいの権利があっていい。

だから、「アイドルになりたいですか」とは聞きたくない

その質問は、 すでにアイドルを選択肢にしている人のための質問です。

GlassRoomが会いたい人には、 もっと前の質問が必要です。

写真を撮られるのは、 少し面白そうか。

自分のために服や世界が作られることに興味があるか。

知らない自分を一度見てみたいか。

自分の名前に何かを残してみたいか。

今の生活とは別に、 もう一つ自分の場所があったら面白いと思うか。

その中に、 一つでも「少し」があるなら。

そのあとで、 初めてアイドルという名前を置けばいい。

普通の女の子がアイドルになる瞬間は、たぶんもっと地味だ

ある日突然、 「私はアイドルになるために生まれてきた」 と理解するわけではないと思います。

たぶん、 もっと小さい。

写真を一枚撮る。

思ったより嫌じゃない。

もう一枚撮る。

少し好きな顔が見つかる。

服を変える。

声を録る。

誰かが名前を覚える。

また見たいと言う。

その小さい出来事が、 少しずつ積み上がる。

そしていつか、

「私はアイドルになる人じゃない」

と思っていた人が、

「これを続けている自分は、もしかするとアイドルなのかもしれない」

と思う。

その順番でもいいと思います。

アイドルになると決めなくていい

今、 アイドルになりたいと思っていなくて大丈夫です。

この記事一つで 人生の進路を変更されたら、 こちらも少し怖い。

一度だけ、 想像してください。

自分が写真に残り続けたら。

自分のために服が決まったら。

自分の声が作品になったら。

自分の小さな変化を、 誰かが見つけるようになったら。

一年後、 今より少し多くのものが 自分の名前に残っていたら。

それを、 少し面白いと思うか。

何も感じなければ、 今は違います。

でも、 一つでも景色が浮かぶなら。

あなたはアイドルになりたい人ではなくても、 アイドルという方法を使える人かもしれません。


GlassRoom

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Author

GlassRoom / ToBeAlive Project

人がすでに持っている価値を、他人の場所で消費させず、自分の名前に残すための設計と文章。

アイドル、ブランド、仕事、選択について扱っています。

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